ウォール伝、はてなバージョン。

革命家/修道士による日々の思索を頭をクリーニングするかの如く書き連ねるブログ。

アッカトーネ雑感。

HMVのポイントってモノによるんだろうけど二か月ぐらいで失効すんのね。5000ポイントぐらい無くなっててもうそらショックでね、だから無くなる前に使った方がいいなと思って別に今買わなくてもいいかってのを買ったんだけどパゾリーニボックスを買ったって言ったぢゃん?でも初期のやつとか入って無くてアッカトーネはニューヨークのキムズで買った胡散臭い質が悪いDVDで持ってたんだけど帰国後の金欠の時にまとめて売っちゃったんだけど今まぁキリスト教の流れでパゾリーニを見る!ってことでまぁなんか前にも書いたけど妊婦さんと一緒よね。奥さんが妊娠すると街歩いている人に妊婦さんが多いのに気がつくっつーか妊婦さんは多くないか。ベビーカーだったか。

 

まぁそんなわけでキリスト教へのAwarenessみたいなのがビンビンになってる今だとなんでもキリスト教ってわけじゃないんだけどパゾリーニって恐ろしいぐらいの深い信仰心を持ってるんだなって思ったんだよね。まぁ表向きはああいう時代もあって左翼で無神論者なんだろうけど恐らくお国柄と育ちもあって根本的な染みついた信仰ってのがあってそのモチーフが凄いよね。

 

アッカトーネって西村賢太が敬愛して表に出したとも言える藤澤清造なんかの底辺感っていうか救いが無いような感じで割とまぁモチーフとしてはベタなんだけどそこにパゾリーニキリスト教的エッセンスが入ってくるから秀逸になってんだなって今見て思ったのよ。んで書かずにはいられなかったという感じね(笑)

 

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BGMがバッハだかのマタイ受難曲らしいんだけどそもそものこの世の中の不平等とかパゾリーニ自体が見て経験した底辺とその救いのなさっていうそれは人間も救いが無いような感じなんだけど神がいたとしたらなんでこんな風になってんのよ?っていう神へのディスでもあるんだけどでもそれは宗教批判なんじゃなくてinquiryなんだよね。あからさまな宗教批判だったり宗教を滑稽に描くのではなくてロッセリーニ流のイタリアンリアリズモっていうかリアル映画なのよね。

 

で、見た感想はずばりこれは俺が今ビビッと来ている実存的神学だ!ってことなんだけど実存って俺みたいに色々と空虚さとかについて悩むとか考えるっていうこと以外にも西田とかも書いてるけど存在と意味って分けなきゃいけないっていうか分けるっていうより存在があって意味もあるっつーことなんだよね。

 

んでまぁ両方ともつまりは実存的なんだよね。でもアッカトーネの場合、多分悩んではいるんだろうけどどうにもならないno futureな感じに絶望しつつ開き直るしかない感じでピンプをやり続けてる感じなんだけど飯を食える金すらも無くなるぐらい金がないんでそこでのマルクス主義的な階級闘争というフレーバーもあるんだけど単純に飯を食わなければ体は飢えるってことが身体の実存になってんのよね。神学に於いての身体性って重要なんだけどその日々の糧というものの不在ということが隠喩的に神の不在を表してるんだよね。まぁ多分でしかないけど(笑)

 

んでまぁネタバレになるけど最後に貧者を救済するっていう貧者に飯を施している団体のトラックからソーセージを仲間たちと盗むんだけどそこでのセリフってのが「やっぱあいつが言ってたように神様ってのを信じれば恵みってのはあるんだよなー」っていうそのあいつってのが名前忘れたけど処女なんだけど娼婦になっちゃうっていうようなマグダラのマリアとリアルマリアを暗示してるかのような、ただアッカトーネにとっては明らかに天使的存在で演出的にも「天使でも来れば・・・」ってアッカトーネがぼやいているとその彼女が現れたりっていうそういう感じなんだけどその彼女ってのはまぁすげー信心深いんだよね。

 

んでまぁアッカトーネも影響されて信心深くなりかけてたのかただノリで言っちゃったのか分からないけどソーセージ盗んだ後に「神様の恵みだぜー!」なんて言っちゃうんだよねっつーかまぁ貧者に施しをするキリスト教団体のトラックから強盗ではないんだけどソーセージ盗むとかバチ当たり過ぎるんだけど(笑)ディティール書くの面倒だけどアッカトーネは警察に目をつけられるようになってたっていうかまぁ前科もあるし散々搾取してきた娼婦から「搾取で訴えてください!」なんて言われたりなんかしてってまぁ警察にそういったっていう話なんだけどこの辺は当時のマルクス主義的な感じだよね。

 

労働者を道具として使って私腹を肥やしている資本家っていうような構図だからね。まぁ私腹を肥やすほどの金は無いからアッカトーネは犯罪に走るしかないっつっても本当にダメなやつで簡単そうな仕事でもヘタっちゃったりなんかして本当にダメ男なんだけどその辺もキリスト教って貧者の宗教なんじゃないの?っていうようなアンチテーゼというよりかはさっきも書いたけどinquiryがあるんだよね。

 

で、まぁマークされてたアッカトーネとそのクルーっつっても二人だけど(笑)ソーセージ泥棒の現行犯逮捕されちゃうんだけどそこでアッカトーネだけバイクを盗んで警察から逃げるんだけどそこで事故って死ぬんだよね。それで唐突に映画が終わるというブレッソン的な実存的絶望というかね、ブレッソンもそうなんだけどパゾリーニの場合、俺だけかもしれないけど宗教モチーフであるってのがそこまで明確じゃないんだよねっていうかリテラシー無いと分からないっていう(笑)

 

だから最初に見たのがもう10年以上前だけどその時はマルクス主義的な実存映画っていうまぁリアリズムっていうかね、救いが無い話っていうかまぁカルネ・カノン的な感じよね。まぁそれも一面ではあるんだけど恐らく文字だけでストーリーを描いたらそういうマルクス主義的な実存の話ってことになるんだけどそこでやっぱ映画だからマタイ受難曲とか映像とかメタファーとかアイコン的なこととかってのが色々と散らばっている結果、マルクス主義キリスト教的実存神学映画になっているっていうとんでもないハイブリッドを処女作で生み出してたんだなっていう衝撃といったらなかったね。

 

んでまぁデカメロンとかテオレマとか全く見る機会が無かったような、フィルムアート社から出てるような感じのアート映画の本を見ながら指をくわえていたっていうか俺が二十歳前後の頃なんてヨーロッパのアート映画みたいなのって見る手段が無かったからね。神田のジャニスみたいな感じのそういうのを揃えているレンタルビデオ屋が近くにあればいいけどまぁそんなの無かったしね。

 

だからまぁそのバックラッシュっつーか、音楽聴きたいときに小遣いが限られてて買えなくて買えるようになってからバカみたいに買うようになるとかまぁスニーカーとかもそうだけどアート系映画もモロにそんな感じよね。DVD自体は出ててもDVDっつー規格自体が出始めの頃に出たようなのって元があんま作って無くてプレミア価格だったりして買えない!っつーのをまぁ今は日本もそうだけどイギリスやらアメリカやらHDリマスターとかすげー出てるじゃん?だからまぁ天国よね。本当に。

 

アメリカに居た頃はクライテリオンとかのおしゃれな感じの高いスペシャルエディションみたいなのを結構買ってたんだけど今さらだけど売らなきゃ良かったなと(笑)まぁただ大体回収してるけどね。

 

まぁそんな感じなんですよね。パゾリーニっつーとヤコペッティみたいなゲテモノ映画を作る人っていうイメージが強いけど(笑)めっちゃ敬虔な人なんだなってのが分かったんだよね。まぁそんだけ俺の信仰が深まっているという証拠でもあるんだけどね。

 

ってことで長いから続きはまた今度ね。んじゃまた。

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